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君を想って海をゆく
君を想って海をゆく
「パリ空港の人々」のフィリップ・リオレの最新作です。
と言って、公開されてだいぶたちますが、機会があってもう一回観たので、やっぱりいいな、と書くことにしました。

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フランス最北端カレの港町。
かつて水泳で世界的に活躍したシモンは、今はしがない市営プールのコーチとして働いている。
クルド難民のビラルは、一家でロンドンに移住した恋人ミナに会うために、イラクから歩いてカレまで来たのだが、難民なのか亡命者なのかはっきり分けられない彼の身上のためにイギリスに入国を拒否されてしまう。
思いあまって、トラックの荷台に隠れ密入国しようとするが捕まってしまい、カレの港に足止めをくっていた。
国に返されれば殺されるかもしれないので、フランスにいてもいいが、身分ももらえず、同じような立場の人たちが集まる半ば野宿のような形のコミュニティーで毎日ロンドンへの道を阻むドーバー海峡を見るのだった。
そんな彼らを保護しようとする団体にシモンの妻がおり、実は離婚寸前の二人だが、シモンは出て行った妻と話し合うために何度かコミュニティーに行き、ビラルと顔見知りになる。
シモンが水泳コーチだと知ったビラルは、お金をはらうので水泳を教えて欲しいと頼む。
妻との関係改善のきっかけになれば、とシモンは引き受けることにするが、いつしか、サッカーが得意で、ロンドンに行ったら、ニューカッスルに入団したいと夢を語るまでに心を開いたビラルとの間には父と子のような思いが芽生えてくるのだった。
ビラルは泳いでドーバー海峡を渡るつもりでいるが、真冬のこの時期に自殺行為だとシモンは心配する。
だが、ロンドンのミナが親の決めた婚約者との結婚が決まり、また資格のない者が難民を世話をすると罪になるのに、危険を省みず親身に世話をしてくれるシモンにこれ以上迷惑をかけられないと、追われるようにビラルは冬の海へと泳ぎ出す・・・

クルド人ていうのは、私の知識で申し訳ないのですけど、国を持たない人たちで、もとはイラクとかイランとか辺りの国境があんまりはっきりしてないところに点在していた大民族で、長く国という意識を持たずにいたんですが、トルコかどっかが言語統一とかしたか何かで民族意識が高まり独立を宣言したとたんあちこちから攻撃されたりしてます。
それも焼き討ちとかえげつないことされてるの。
そんな苦しい毎日で、ビラルは印象的にはサッカーがうまく、恋もしている普通の青年です。
でもどんどん彼を知っていくと、恋人に会うために故郷から何キロも何百何千キロも歩いて旅をする情熱や、サッカー選手になるという夢も、苦しくてつらい毎日でも希望や夢を持つビラルの心の強さは普通ではなかったです。
引き離されてしまった恋人への思いや焦りが、すごく伝わりました。
演じた俳優はほんとにクルド難民なんだそうです。
シモン演じるヴァンサン・ランドンは、今フランス俳優でうらぶれたオヤジを演じさせたらNo.1の男なだけあって、文句をつけたくなるのは妻役が若すぎること。
どうして知り合ったのか気になります。
ランドンの容姿や雰囲気が、かつての名声にこだわって、妻ともだめになってしまったんだろうなあとか、そんなことを勝手に思わせるのですが、ビラルという青年と出会い、最初は妻にいいところを見せたくて利用していただけの存在が、彼の困難に負けずサッカー選手になりたいという夢や、恋人への情熱といったものに触れ、妻とは関係なくどうにかしてあげたいという思いが芽生えるようになるんですね。
でも資格がないシモンがビラルを保護したり面倒みたりというのは、罪に問われてしまい投獄されることもある。
「Welcome」という足ふきマットを出している隣人が、移民や難民を毛嫌いしてシモンのことを警察に密告したり、建て前と本音のすごくシビアなところが描かれたりしています。
人は人との関係でしか変わっていかないと思いますが、シモンのこの気持ちの変化と社会のそうした構造がとてもよく描けていて、だからこそビラルの代わりに恋人のミナに会いに行くあたりは胸になにかガツンときました。
星2つ★★

昨日はすごい雨でしたが、なんとか降り出す直前に家に帰れました。
それが最近唯一のラッキーですかね・・・
ではまたー

「君を想って海をゆく」 ★★

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[2011/09/02 21:17 ] | 映画 | トラックバック(0)
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